歯科クリニックによっては、同じ日に複数の処置をまとめて行う診療スタイルに対応しているところがあります。1回の来院で複数の歯の虫歯チェックと一部の処置を同時に行う、歯のクリーニングと虫歯治療を同日に実施する、といった方法です。
「忙しいので、できる限りまとめて治療してほしい」と事前に相談すれば、歯科医師が治療計画を組み直してくれる場合があります。
WEB予約

「歯医者に行かないといけないのはわかっているけど、何度も通う時間がない」と感じている社会人の方は少なくありません。
歯科治療の通院回数は、治療の内容や進め方によって大きく変わります。正しい知識を持って受診すれば、1〜2回でひとつの治療を完結させることも現実的な選択肢になります。
この記事では、忙しい日常のなかで歯科医療と上手につき合うための考え方を、静脈内鎮静法(セデーション)という選択肢も含めて具体的にお伝えします。

歯科治療が「何度も通わないといけない」というイメージを持たれやすいのには、きちんとした理由があります。治療の段階的な進め方、技工物の製作プロセス、保険診療のルールという3つの要因が絡み合っています。
歯の治療は、体の回復力に合わせて段階を踏む必要があるものが多くあります。
たとえば虫歯治療では、歯を削ったあとに歯の神経(歯髄)が刺激を受け、一時的に敏感な状態になります。すぐに詰め物をしてしまうと後から痛みが出るリスクがあるため、1〜2週間ほど様子を見るケースもあります。
また、虫歯が深く進行して歯髄まで達している場合は、根管治療(こんかんちりょう)という処置が必要になります。根管治療は歯の内部にある細い管(根管)を消毒・洗浄する治療で、根管の形が複雑なため、細菌を完全に除去するまで複数回の処置を要します。
虫歯を削ったあとに使う詰め物(インレー)やかぶせ物(クラウン)の多くは、歯科技工士(技工物を専門につくる職人)が別の工程で製作します。型取り後に技工所へ送り、完成品が届いてから装着するため、どうしても2回以上の来院が発生します。
保険診療には治療の進め方に関するルールもあり、同じ日にまとめて行えない処置があります。これも通院回数に影響する一因です。
受け身で受診するのではなく、自分の状況を積極的に伝えるかどうかで、治療の進み方は変わります。
歯科クリニックによっては、同じ日に複数の処置をまとめて行う診療スタイルに対応しているところがあります。1回の来院で複数の歯の虫歯チェックと一部の処置を同時に行う、歯のクリーニングと虫歯治療を同日に実施する、といった方法です。
「忙しいので、できる限りまとめて治療してほしい」と事前に相談すれば、歯科医師が治療計画を組み直してくれる場合があります。
通院回数を減らすうえで、ビジネスパーソンに知っておいてほしい選択肢が「静脈内鎮静法(セデーション)」です。点滴で鎮静薬を投与し、うとうとと眠ったような状態で治療を受ける方法で、全身麻酔と違って入院は必要ありません。
静脈内鎮静法(セデーション)の最大のメリットは、1回の来院で複数歯の治療をまとめて進めやすくなることです。通常の治療では、患者さんの緊張・口を開け続ける疲労・「おえっ」となる嘔吐反射などが時間的な制約になり、1回あたりに進められる処置の量に限界があります。
鎮静下ではこうした負担が大きく軽減されるため、長時間の治療を一気に組むことが現実的になります。
本来なら週末ごとに4〜6回通う予定だった複数歯の治療を、半日かけた静脈内鎮静法(セデーション)下の治療1〜2回でまとめて終わらせる、といったプランも組めます。
出張が多い方、土日もスケジュールが埋まりやすい方、何ヶ月にもわたって治療日を確保するのが現実的に難しい方にとっては、長期間にわたる通院から解放されるという意味で、ライフスタイルとの相性が良い選択肢です。
治療中の記憶もほとんど残らないため、「歯医者の音や振動が苦手で足が遠のいていた」という方が、結果的に治療を完遂しやすくなるという副次的な効果もあります。
CAD/CAMシステム(キャドキャム:コンピューターで詰め物・かぶせ物を設計・製作する機器)を導入しているクリニックでは、詰め物やかぶせ物をその場で製作します。
従来は型取り後に技工所で製作していたため最低2回の来院が必要でしたが、CAD/CAMなら口腔内スキャンから当日装着まで1回で完結します。すべての治療に対応しているわけではないので、受診するクリニックが導入しているかどうか事前に確認しておくとよいでしょう。
静脈内鎮静法(セデーション)とCAD/CAMを組み合わせれば、「複数歯を削る → その日のうちに詰め物・かぶせ物まで装着」という1日完結型のプランも視野に入ります。
保険診療は費用の自己負担が少ない反面、使える材料や治療の進め方に制限があります。
自由診療(保険が適用されない診療)では、複数回に分けて行う処置を1回にまとめるなど、フレキシブルな治療計画を立てやすい場面もあります。費用と時間のどちらを優先するか、歯科医師に相談しながら判断してみてください。
静脈内鎮静法(セデーション)を希望するかどうかは初診の相談時に必ずしも決める必要はありませんが、「治療回数をなるべくまとめたい」という希望は最初に共有しておくのが効率的です。

虫歯の進行段階を知っておくと、1〜2回で終わるのかどうかをある程度判断しやすくなります。
虫歯の進行度が浅い段階(C1・C2と呼ばれるレベル)であれば、削って詰めるだけの処置で済むことが多く、1〜2回での完結が現実的です。
C1は歯の表面のエナメル質が侵されている段階、C2はその内側の象牙質(ぞうげしつ)まで進んだ段階で、いずれも神経への影響が少なく処置はシンプルになります。歯の破折(欠け)で詰め物が取れた場合も、状態によっては1回で再装着が完了します。
C3以上に進行すると歯髄まで細菌が到達しており、根管治療が必要になります。数回〜10回程度の通院になることもあります。歯周病の治療も、歯石の除去や歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)への処置を複数回に分けて進めます。
ただしこうしたケースでも、静脈内鎮静法(セデーション)を併用することで「複数本の根管治療を同日にまとめて行う」「歯周外科処置をまとめて受ける」といった形で、来院日数自体を圧縮できる場合があります。
経過が良ければ来院の間隔を広げることも可能で、「1ヶ月に1回でもいいか」を歯科医師に確認するのは無理なお願いではありません。
痛みが我慢できなくなってから受診すると、虫歯や歯周病がかなり進行していることが多く、単純な処置では済みません。症状が軽いうちに受診するほうが、結果的に通院回数は少なくなります。
虫歯は自然に治ることがなく、進行を止めるには歯科的な処置が必要です。早めの受診が、治療の選択肢を広げる最も現実的な手段です。

受診前に少し準備をしておくだけで、初診の流れがスムーズになります。初診は問診・レントゲン・検査が一度に含まれるため、情報が整理されているかどうかで進み方が変わります。
「また悪くなったら行く」というスタンスは、結局のところ総通院回数を最も増やします。治療後にメンテナンスを続けるほうが、再治療を防ぐうえでは効きます。
3〜6ヶ月に1回の定期検診は、歯が悪くなる前に問題を見つけることが目的です。クリーニング(PMTC)では、歯ブラシでは落としきれないプラーク(細菌の塊)や歯石を専用機器で除去します。
プラークや歯石は虫歯・歯周病の主要な原因なので、定期的に除去することで再発リスクは下がります。自覚症状が出る前に問題を見つけられれば、1〜2回で終わる処置の段階で対処できる可能性が上がります。
日常のブラッシングをきちんと行うことも、通院頻度に直結します。
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れが落とせないため、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを習慣的に使うことが推奨されます。1日2〜3分のフロスと歯磨きは、根管治療にかかる複数回の通院と比べれば時間コストが圧倒的に低い選択です。
歯科治療で通院回数が増えるのは、治療の段階性や技工物の製作工程、保険診療のルールが重なっているからです。
この仕組みを知ったうえで、同日にまとめた処置やCAD/CAMによる当日製作、そして静脈内鎮静法(セデーション)による長時間・複数歯のまとめ治療といった選択肢を組み合わせることで、忙しい毎日のなかでも歯科治療と上手につき合うことができます。
ビジネスパーソンにとっての歯科治療は、「治す」と同時に「いかにスケジュールに収めるか」が現実的な課題です。
月に何度も通えない方、長期的な治療スケジュールを確保しづらい方こそ、初診の段階で「通院回数を減らしたい」「静脈内鎮静法(セデーション)も検討したい」とお伝えいただくのが近道になります。
虫歯や歯周病は進行するほど通院が増えるので、症状が軽いうちに受診するのが結局のところ最短ルートです。治療が終わったあとも、定期検診と毎日のセルフケアを続けることで、長期的な通院回数はぐっと抑えられます。まずはご相談だけでも、お気軽にお越しください。